8年間務めた副市長を今年の4月に退任しました。ご支援いただいた皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。その一方で、退任した今でも、輪島市の発展を強く願う気持ちに変わりはありません。そして、一人でも多くの市民の皆さんに幸せになって欲しいと心から願っております。

ところが残念なことに、今、輪島市は経済的にも、新型コロナの影響で大きく疲弊し、前例がないほど非常に厳しい状況にあります。一日でも早くこうした状況から脱却し、活力を取り戻さなければなりません。そのためにも、この非常時においては、市政の運営において、いたずらに空白を作るべきではないという声も、多く寄せられています。空白ができることによって停滞する時間も余裕もないからです。

こうした、いわば激動の時代に、リーダーに求められるものは何でしょうか?それは、第一に、多くの皆さんの声に耳を傾け、寄り添うこと。そして、何よりも大切なのは、寄せられた様々な声を市政に生かす力、迅速に様々な課題を解決する実行力だと私は考えます。

私は、これまで培ってきた経験を生かし、まずは、速やかに、疲弊した輪島市の経済を復活させ、さらなる発展へ繋げたい。このことに全身全霊をかけて取り組んでいきたいと思います。いち早く経済を復活させ、コロナ後の新たな時代を見据えて、皆さんと一緒に力を合わせて、より良い輪島市の未来を創ってまいります。

そのためには、第一には交流人口の拡大、そして、漆器、観光、農林水産業、商店街といった大切な地場産業の振興、さらには、移住定住の促進に力を注いでいかなければならないと考えています。

そして、コロナ後には、「小さくても日本に輪島市ありと世界に誇れるような輪島市」になることを目指したいと思っています。

世界農業遺産である能登の里山里海に育まれた美味しい食材と、その食材を生かした美味しい食、“美食”を核とした観光都市として、

また、世界に誇る輪島塗、“漆芸”を核として、様々な工芸や製品とコラボする、連携する工芸都市として、

そして、700年の歴史を有する總持寺祖院を中心とした“禅文化”“哲学”を核とした文化都市として、

さらには、5G対応のWi-Fiの整備を始め、高度な通信環境を充実させ、豊かな自然環境の中で多くのサテライトオフィスが集積する先端都市として、

世界をターゲットに取り組んでいきたいと思っています。能登半島の先端に位置する輪島市が、今後も持続し、明るい未来を築いていくために、世界にひらかれた輪島市になる必要があると思っています。

もちろん、活気にあふれる輪島市にするだけでなく、その一方で、「誰もが心豊かに安心して暮らせる輪島市」にすることも、とても重要です。そのためには、地域に密着した、地域に寄り添った福祉、医療の充実を実現させることが大切です。

高齢化が進む中で、高齢の方が住み慣れた地域で安心して暮らせる市に、少子化が進む中で、若い人たちが安心して結婚し、安心して子育てができる市に、そして、障害を持っておられる方も、生活に苦しんでいる方々も、安心して暮らせる市にしたいと思っています。

誰かが言いました。輪島市は崖っぷちだと。そのとおりです。だからこそ、市政の運営は難しく、様々な経験や知見が必要です。コロナに翻弄されるこの非常時に大切なのは、聞く力と実行力だと思います。

輪島市の現状はとても厳しいと感じていますが、それでも私は、輪島市の明るい未来を信じています。コロナ後の社会情勢の変化や、デジタル化、脱炭素化といった大きな流れの中で、今後の輪島市に大きな可能性も感じています。

坂口茂は、これまでの経験を活かし、あなたと一緒に、新たな輪島市を全力で創ってまいります。